概要
名称  指定管理者制度学習会
期間  2004年4月10日
場所  橦木倶楽部
内容 

目的 
公共施設の管理を多様化する住民ニーズにより効果的、効率的に対応するためにNPO、民間事業者が代行するための制度である「指定管理者制度」実際に運営するためにどんな考え方や技術、方法が必要かを学ぶことを目的とした。NPOで先行的に実施し、約3年間の実績がある、NPO法人FUSION長池から、代表理事の富永一夫氏を招き、学習会を開催する。

 2004年4月10日、橦木倶楽部(井元邸)を会場として、指定管理者制度学習会は開催された。講師は、富永一夫氏(NPO法人FUSION長池代表理事)である。講演の構成はNPO法人FUSION長池の紹介、NPOの運営と施設運営の関係、施設運営と地域活動の連接方法まで多岐にわたるお話を頂いた。
 長池公園という大きな自然公園の中にある「ネイチャーセンター」は、自然体験施設という役割を帯びており、2000年4月に総工費7億円を投じて完成した。

 NPO法人FUSION長池にとって、ネイチャーセンターの管理運営は、NPOの事業の一つという位置にある。逆に、富永氏からは「施設管理の業務があってもなくても取り組む活動が充実していること」の重要性が指摘された。具体的には、「団地管理業務(住民の力をマネジメントして修繕などを行う、インターネットバンキングで団地会計も実施)「コーポラティブハウス支援(第1号は14世帯で完成、現在2号、3号プロジェクトが進行中)「多摩ニュータウンのデジタルマップ事業(人口統計を入れ込み、カゴメもスポンサーとして参画)といった事業展開がNPO法人FUSION長池では行われており、その事業推進にあたっては、富永氏が民間企業で鍛えた「マーケッティング」の技術が活かされていることが際立っている。

 ここには、富永氏が47歳にして民間企業を辞めるというリスクを背負ってNPO法人設立に踏み切った点の重要性が指摘できる。94年から「自分の飲み仲間づくり」を目的として地域活動を始めた富永氏は、99年にネイチャーセンターの話題が立ち上がった時に、「この施設を地域NPOで運営できれば、地域にとって大きなメリットになる」と悟り、NPO法人の設立から施設管理の受託までの流れを作り出していったのである。

 指定管理者制度の制定目的は、「公共施設運営のコストダウンとサービスの向上である。前者は「常時3名のスタッフ構成には、民間コストで4名分(公共団体コストで3名分よりも安い)が妥当」との指摘があり、実現は可能である。後者の実現には、NPO側からの新しい評価指標を提起する事の重要性が指摘された。富永氏が提唱する評価軸とは「ボランティア会計(一般会計とは別にボランティアの労力を提供を数値化することで、非貨幣的価値を視覚化する方法)」「顧客満足度調査(利用者の満足度をアンケートで押さえる)「来館者数」の3つである。

 こうした明確な評価指標をもつことで、透明な施設運営が実現するとともに、真に「地域の利用者にとって価値の高い公共施設」の実現を図ることが望ましい。こうした富永氏の姿勢に学ぶところが多いとともに、この考え方がすべての公共施設運営に適応される事で現状の公共施設の価値を高め、使いこなす方向性が期待され、「貞奴邸」運用に向けても重要な示唆であったと思う。

 以上の議論をふまえて「施設管理のため」ではなく、「東区全体の活性化のため」に「貞奴邸」管理運用の必要性が浮き彫りになった。

指定管理者制度学習会の風景(左が富永氏)
プロジェクト
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調査研究・提言
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