ENGAWA NEWS 2006.5
   まちの縁側大楽が本になりました!
私からはじまるまち育て ―〈つながり〉のデザイン10の極意―
編集:延藤安弘とまちづくり大楽2004 出版:風媒社

まちの縁側大楽2004にてご講演いただいた11名のエンギニアの方々の話が一冊の本になりました。「まちの中でどんなことしてるの?」、「こんな活動したいけど・・・どうしたらいいの?」などなど思っていらっしゃる方必見です。

11人のエンギニアはこんな方々!
1章 元気コミュニティを育くむ(岸 祐司氏)
2章 編集力と人間力を育くむ(森 まゆみ氏)
3章 地域を学び舎にするまち育て表現学習(寺本 潔氏)
4章 地域資源と人間力を生かす(延藤 安弘)
5章 自己と他者の相互応答・わかりあう関係づくり(戸枝 陽基氏)
6章 住民の想像力で災害に備え(南部 美智代氏)
7章 「輪切り」をこえて「つながり」のデザイン(吉田 一平氏)
8章 公共空間を解き放て(星野 博・森 登・坪井 俊和)
9章 合意形成のプロセスデザイン(延藤 安弘)
10章 みんなが主役、みんながリーダー(新谷 千晶)

「私からはじまるまち育て」をいち早くみられる場所は「杜の宮市vol.6」です。
 まちの縁側育くみ隊では愛知県一宮市で行なわれる市民手づくりのイベント「杜の宮市vol.6」にてブース出展をして「私からはじまるまち育て」を販売いたします。ぜひ遊びに来てください。

−杜の宮市vol.6−
日程:2006年5月21日(日)
時間:AM10:00〜PM5:00(雨天決行)
場所:尾張一宮 真清田神社境内
主催:杜の宮市準備委員会

   まちの縁側MOMOよりお知らせ
おしゃべり幸房
『パッチワーク』   講師・上原洋子さん 5月25日(木)13:30〜15:30
場所:ミニ縁側(仮)  会費:1,000円(お茶付き)
※詳しい場所につきましてはお問い合わせください。
※申し込みは052-936-1717まちの縁側MOMO、担当:土屋まで。
まちの縁側MOMO専用メールアドレスできました!
まちの縁側MOMOにE-Mailにてご連絡される方は、momo@engawa.ne.jpにてご連絡お願いします。
   まちの縁側育くみ隊よりお知らせ
平成18年度総会
NPO法人まちの縁側育くみ隊総会を今年度も行なわせていただきます。
日程:2006年6月18日(日)
※場所、時間等につきましては現在未定です。
ホームページリニューアル
まちの縁側育くみ隊ホームページをリニューアルすべく、5月中旬にはお披露目できるよう現在急ピッチにて作成中です。
アドレスはこちら→http://www.engawa.ne.jp/
   まちの縁側育くみ隊より報告
地域共生のいえづくり講演会報告(2006年2月10日(金))後編
 先月号の「COS下北沢」ができるまでの地主・オーナーからの視点をに続いて、現在名古屋で地域共生のいえづくりプロジェクトが実際に進行している。
 行なっているのは、COS下北沢に続いて名古屋市在住の河津さん(オーナー)と、ギター片手にまちづくり・建物の設計・大学の講師まで勤める笑顔が優しい、設計者兼コーディネーターとして加藤武志さんのタッグである。
 今回は設計者兼コーディネーターの視点からプロジェクトの概要を中心にさまざまな問題点を考えていきたい。

■ きっかけ
 名古屋市中川区で河津氏が経営されている雑木林に囲まれた木造のデイサービスセンターとアットホームな雰囲気のケアハウス・ホットハットを設計した加藤さんの仲間が加藤さんに「こんな企画あるんだけど、お金はないけどこない?」と誘い、「面白そうだから会わせてください」と、なんとも気軽に返答をしたことから、加藤さんは河津さんと2004年4月に会うこととなる。
 加藤さんは「計画のおもしろさとともに河津さんのほんわかした人柄と事業家としての鋭い視点に心をうたれた」と。

■ 見えてきた建物の方向性
 場所は名古屋市中川区にあり、土地は社会福祉法人が所有している200坪くらいの大きさ。現在は小さなトレーラーハウスと駐車場になっている。その場所にCOS下北沢同様に「事業」として場を借りる方々とビジネスをしていきたいという思いから始まっている。
 月に1回くらいのペースで、オーナー、設計者兼コーディネーターで話し合い、時にはゲストとして庭園デザイナーや大学の先生などを交えて話を進めていくことによっていろいろな専門的視点が加わる。思いが膨らむ中で方向性が徐々に見えてきた。

 建物はあまり大きな土地ではないため2、3階建てのコンパクトなもの、将来的なニーズの変遷に応じて転用ができるもの、上階は誰もいないのでは寂しい建物になるためショートステイなど滞在ができるもの、下階は庭を囲んで、玄関、水回り、トイレ、キッチンなどの共用スペースがあり、真ん中には大きなスペースで"みんなのサロン"がある。これは食事を提供したり、地域の方々もご飯を食べることができるスペースである。
 それに加えて、赤ひげ先生的まちの保健室のような診療空間や子育て保育、まちづくりグループや市民団体が集まれる場所としたい。お年寄りから地域、子どもにいたるまで自然に交わり、デイサービスやケアハウスなどもすぐ近くに隣接することから、地域全体が"大きな家族のような家"にできないかなと考えていったようだ。

■ 浮かび上がってきた問題点
 興味のある人がいないか手づくりのチラシを持って話にまわったところ、独立をしたいと思っている勤務医の男の人、子育て支援ネットワークをしている男の人、地元でまちづくり活動をされている元気な女の人の計3名の方が「おもしろい!やりたい!」と話に飛びついてこられ、河津さんの思いとビジネスとしての事業性を含めてディスカッションを行なっていく。
 例えばお医者さんは「病院を開くなら患者は1日100人以上いないとだめだから、この立地はどうなのか」、「マーケティング的には小児科がいいのか」など厳しい指摘もされる中で、出てきた問題点は2つ。

 1 集客(子どもなど)が見込める立地なのか
 ビジネスをして人が集まるのか、子育て支援をした場合子どもはいるのかなど、近くに小学校はあるが統廃合するうわさもあり、ターゲットとしている人口がいるのかが問われた。

 2 事業性
 オーナー側として事業者もリスクを背負ってビジネスパートナーとして進めていきたい思いがある。事業者側としても活動をして利益が入って家賃が払い続けられるのかが現実問題としてある。

 現在は2つの問題で「計画は面白いんだけど・・・」と二の足をふまれている段階であり、オーナー、事業者ともに大きな覚悟が必要なため計画は止まっているとのことであった。

■ 今後に向けて
 最後に加藤さんは「民間の方々が自分のもっている資産や場所、プライベートなスペースを『みんなのたまり場にしたい』、『小さな図書館みたいに自分の家をしたい』など、公に出す動きが今はたくさんある。民発民営の中には公発公営の中にはない"その空間の主(アルジ)の香り・雰囲気"がある。家の身の丈にあった家の延長線上にある公の場所が地域に点在することが豊かな暮らしにつながっていくと考えている。」と地域共生のいえの大切さを語ってくれた。

   大久保康雄の風の記憶
福祉学習研修会

 半田市社会福祉協議会が主催した「福祉学習研修会」に参加してきた。講師は日本福祉大学の原田正樹先生。「地域ぐるみで福祉教育を推進してゆくためにー市民と学校の協働をさぐる」と題されたレクチャーは大変にわかりやすく、福祉教育の歴史、現在行われている福祉教育の盲点、気をつけなければならないこと、福祉教育の本質や、学校と地域のボランティアとの連携の必要性など、様々な側面からのレクチャーを受けた。
 〈福祉〉というと、どうしてもイメージされるのは高齢者や障がい者などの支援だろう。それも〈福祉〉の一面ではあるのだが、もともと〈社会福祉〉とは、人が人として互いの違いを認めて、それでも同じ人間として相手を尊重し、互いに助けあうことをいうのである。レクチャーの最後に「子どもだけではなく、福祉教育の必要性は大人にもある」と結ばれた原田先生の言葉には、思わず頷いてしまった。昨今の社会風潮をみてみると、子どもも大人も己の感情や欲望のままに相手の人権を無視し、生命を軽んじている人が増えているような気がする。誰もが普段の暮らしに幸せを感じられるーそんな社会をつくってゆくために、私はこれからも福祉教育支援をしてゆきたいと思っている。

編集後記
先日、岐阜県中津川市の加子母というところへ行く機会があったため行ってきました。気候が名古屋より涼しいため白色のモクレンや桜が満開であり、夜は民家を移築したという建物で囲炉裏を前に春の季節のおもてなしを受けました。しかし、朝起きてみたら一転。4月下旬にして雪。桜と白モクレンと雪という不思議な季節感が織りなす景色に見とれていたら、見事に次の日風邪をひくという洗礼を受けたのでありました。
注:民家の気密性がよすぎるらしく、囲炉裏を使い続けると一酸化炭素中毒で倒れますのでと言われました。昔の家はある意味隙間が多い方が良かったようで・・・うまくできてますね。(事務局・古池)
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